よっしゃ、2日ぶりの更新! というわけで、皆様こんばんわ。こんな短期間の更新は何年ぶりだろうと思いつつも、かなり怖いので履歴見るなんて事はしてないんですが。…って、そこ! 言ってる傍から見るんじゃない!
ちっ。
さて前回は火星探査機"のぞみ"についてお送りしましたが、その後も状況はあまり芳しくないようです。JAXAの発表によると最適軌道の投入は12月2日がリミットだったわけですが、3日午前10時現在、まだ修復できていないようです。
火星周回軌道投入の限界は12月9日で、それに間に合っても、遅れれば遅れるほど周回軌道が予定よりもずれるから観測計画の見直しが必要になってくる。
ということで、1秒でも早い修復が望まれます。ところでこの発表を受けてだと思いますが、毎日新聞から「のぞみ、火星軌道投入は絶望」という報道がありました。記事の内容は間違いじゃないんですが、表現が微妙な気が。
あと、エンジンの解説は逆だよな。前回の雑記では、動かないのは姿勢制御エンジンの方だと書いたはずだが。
あ、それはあたしの方が間違いでした。調べ直したら、動かないのはメインエンジンの方だったようです。正確には、メインエンジン用燃料のヒーターとテレメータデータの変調を司る電源がショートしているんですね。
ヒーターが動かないから、燃料が凍りついてしまっているわけか。
ということで、毎日新聞の記事の方が正確です。"のぞみ"は2種類のエンジンを搭載していますが、現在動作しないのは大推力のメインエンジンの方だそうです。この場を借りて訂正させていただきます。
今回ばかりはおまえの方が誤報だったわけだな。
ぐぅ、何も言えない。さて、今回の本題ですが。前回の冒頭でHII-A6号機が打ち上げに失敗したとお伝えしました。JAXAから調査結果の速報版も出たことですし、今回はこれをネタにしてみたいと思います。
何となく強引に話題変えよったな。しかし残り半分だ。急げよ〜。
まずは状況から。11月29日、H-IIA6号機は情報収集衛星2機を打ち上げる予定でした。同日13時33分リフトオフ。しかし予定の高度と速度を出すことができなかったため、13時43分53秒に指令破壊されました。
速度・高度不足の原因は、二本のSRB-A(固体ロケットブースタ)のうち、片方の分離ができなかったためだそうだ。
で、15時45分から記者会見。上述のSRB-Aの分離に失敗した件はここで発表されました。燃えがらのSRB-A一本は約10t。この分だけ想定よりも重くなり、速度を稼げなかったようです。速報版の図-2を見ると、そのことがよくわかります。
SRB-A分離のあたりから速度が予測値とずれているな。
さて図7の中央がわかりやすいと思いますが、H-IIA本体とSRB-Aは水平の前方/後方ヨーブレス、本体下方からSRB-A前方へ斜めに走るスラストストラットの3本が一組になり、表裏二組、合計6本で結合しています。
ちなみに4本のヨーブレスはSRB-Aを支えるだけ。SRB-Aの推力を本体に伝えるのは太いスラストストラットの役目だそうな。
分離の際には、まずSRB-Aの分離モーターに点火し、その直後に前後のヨーブレスを爆裂ボルトで切断します。そしてその1.4秒後にスラストストラットを切断します。ところが今回は、前方ブレス2本が切断されませんでした。
ちなみに爆裂ボルトを作動させるには「導爆線」というものを使う。金属チューブの内側に火薬を塗ったもので、電線に比べて確実性・安全性が高いそうだ。
またリフトオフの約62秒後にノズルの外壁温度の異常上昇が、その後も搭載機器の異常が次々と観測されています。以上から、ノズルから燃焼ガスが漏れ、その熱で配線が焼損したと考えられます。
この時点で導爆線が「誘爆」するんじゃないかと思ったんだが、ライターであぶっても平気なくらい安全性が高いものらしい。ということは、素直に焼き切れたか。
当初は分離機構そのものが疑われましたが、実はかなり重いトラブルが原因だったようです。今後はSRB-Aを中心に原因究明が実施されますが、そのあとで対策を実施することも考えると、打ち上げ再開にはかなりの時間がかかると思われます。
打ち上げのめどについては全くの未定。茂木科技担当相からは「早期の打ち上げ再開を期待している」というコメントが出ているが。
ということで、今回はH-IIA6号機打ち上げ失敗についてお送りしました。完全に確立していないものだけに、徹底的な原因究明をし、さらに確実性の高いものに仕上げてもらいたいと思います。それではここらへんで失礼します。