え〜、実に一ヶ月半も間を空けてしまいました。大変ごぶさたしております。2月末に修論発表会がありましたが、そのための準備で管理人がテンパっており、更新ができませんでした。実験のラストスパートでほとんど身動きが取れなかったようです。
2月は週に3日くらいのペースでお泊まりしてたっけ。なんで締切直前になって新事実が見つかるかいな。
集中力の違いじゃないの? 締切直前の方が集中するだろうし。それに今回は外部からの入力をほとんど完全にシャットアウトしたでしょ。そりゃ、結果も違ってくるって。そういえば、ホントに生きていますかってお問い合わせを戴いてたわよ。
なんとか生きてはいる。修論も提出したし、修論発表会もクリアした。卒業も確定したことだし、あとはまったりと過ごす・・・ワケにいかねぇ(泣)
修論の差し替えだっけ。発表会は口でなんとかごまかせても、論文はそんなわけにいかないもんね。あんまり実験やってないのがモロにばれるような論文書くからよ。お慈悲で差し替えさせてもらえるんだから、はよデータそろえなさい。
うぐぅ、善処します。
さて大幅に話が飛びますが、今回は予告通りSETI@homeについてお送りします。ぶっちゃけた話、個人でできる宇宙人探しですね。地球外知的生命体の探索、SETIプロジェクトに個人レベルで参加するというものです。
広義に解釈すれば間違いではないんだが、語弊があるように聞こえるのは気のせいか?
気のせいよ。電波望遠鏡から送られてくる膨大なデータを解析するには、高速なコンピュータが必要なのはわかるわよね。しかも相手は、どんな形態をしているかすらわからないデータなんだから、総当たりで調べていくしか手がないのよ。
普通だったらノイズとして処理されるようなパターンを見つけだそうってんだから、コンピュータの性能も時間も絶対的に足らないわな。
そうね。でもこの点は、分散処理することで解決しているの。インターネットに接続しているパソコンに、細切れにしたデータを配信して演算してもらうってわけ。仮想的に、現行最速のスーパーコンピュータを遙かに凌ぐ性能が得られるわね。
チリも積もればを体現したようなシステムだな。しかし、受け取った処理のためにマシンパワーをごっそりと持ってかれるようではたまらんぞ。インターネットにつないでいるのは単なる趣味で、自分の仕事の支障になるようなプロジェクトになんか参加したくないというのが一般的な考え方だろう。
うん、あたしもそう思う。でも、SETI@homeは余っているマシンパワーを使って解析してるの。コンピュータが本来遊んでいるときにSETI@homeはひたすら演算し、コンピュータが本来の業務に従事しているときはその演算を止めるらしいわよ。
最近の高速なパソコンだと、ベンチマークぐらいしかフルパワーを絞り出す機会はないから、マシンパワーは余りまくっているだろうな。普段の仕事に影響がないなら、マシンの有効利用という点でも実に有意義だ。そういえば、電波望遠鏡の方は? 電波望遠鏡ってのは観測予約で埋まりまくっていて、年に1日でも使えれば長い方なんだぞ。
こっちも間借りする形で解決してるわね。SETI@homeでは対象が全天だから、アレシボ電波望遠鏡のあらゆる観測結果をそのままもらうことでデータを集めてるみたい。さすがに軍関連の観測結果はもらえないしメンテナンスだってあるけど、それでも全稼働時間の7割分のデータが集まるらしいわよ。その量、実に一日35GBにも達するって。
7割だぁ? アレシボ電波望遠鏡と言えば、世界最大の電波望遠鏡だろうが。そんなモンをほぼ占有できるとは、なんちゅう贅沢なプロジェクトだ。
そういうこと。これが前回言ってた「トリック」の正体よ。SETIでもっともネックとなるのがデータの取得と解析時間なんだけど、その両方を間借りでクリアしているのね。しかも両方とも何かのついでだから、コストはすごく安く押さえることができるわよ。
そのために個人の力を借りているわけか。これだけの巨大プロジェクトに個人が参加できる機会もほとんどないことだし、試しに参加してみるだけでもいいかなとか思うな。
参加方法も専用ソフトをインストールするだけだから簡単だし、解析自体はバックグラウンドで行われるから、パソコンの電源さえ入れておけばあとは何もすることがないわね。意識することなく学術研究に参加できるって、おもしろいと思うわよ。
そうだな。サクッとインストールして、げりげりと解析を続けていれば、宇宙人を見つけることができるかもしれないんだな。ん? もし自分のマシンから宇宙人が見つかったらどうなるんだ?
共同発見者として歴史に名が残るんだって。地球外文明の存在が断定されると、SETIコミュニティの名前で全世界に発表されるんだけど、そのときに協力者として名前が併記されるらしいわよ。
なるほど。怪しげなシグナルを見つけたら即マスコミに報告すれば、SETIコミュニティを出し抜けるわけだな。
それやると激しく怒られるわよ。「原則の宣言書」にもあるんだけど、個人の判断で勝手に公表しちゃいけないことになってるの。解析中の画像なんか画像処理ソフト使えばいくらでも改ざんできるけど、同じデータが複数のコンピュータに配信されているから、クロスチェックの段階でバレるわね。
ちっ、つまらん。まぁ、その辺のことはちゃんと考えてあるわな。他にもデータの改ざん法はいくらでもあるが、考えられる限りのセキュリティはかかってるだろうし。
当然ね。ヘタにいじくると痛い目を見るのは自分よ。さて、前回の更新からとんでもなく時間を空けてしまいましたが、次回の更新もいつになるかわからない状態だったりします。なるべく1週間以上空けないようにするつもりですが、どうなることやら・・・。では、次回まで失礼します。