平成13年 3月29日
某アーケードゲーム専門誌より抜粋

 ついにあの「武神降臨」がゲーム化されることになった。一部の格闘技ファンに絶大な支持を得ながらも、しばしば凄惨な事態が起こるこの大会は、決してメジャーな場所には出て来ることができなかった。
 しかし、第20回大会を終えた○月○日、スポンサーである大企業がゲーム化の企画を発表したのだ。すでに水面下で開発は進んでいたらしく、この日の時点でゲーム画面のデモが公開された。

 以下に開発チームのインタビューを――――――



5月26日
某ゲーム誌より抜粋

 ――――――ブースでは「Fighters Legend」をプレイすることができました。「元ネタ」のあるゲームのせいか、人の集まりはそこまで多くなかったのですが、私がプレイした限りでは、3時間待ちになっている隣のゲームとクオリティを比較しても全く遜色のないデキで――――――



8月15日
某アーケードゲーム専門誌より抜粋

 「Fighters Legend」が稼働を開始して一ヵ月、開発元が主催する全国大会が発表された。
 使用キャラクターを限定した全国大会を開き、その優勝者全員を集めて決勝戦を行う、という異例の形式だ。

 今回の特集ではその大会に備え、同キャラ対戦を徹底的に――――――



そして10月29日
全国大会、決勝の会場にて

「今回集まっていただいた20名は、誰もが日本一の称号をすでに獲得しています!」

 司会者が手元のマイクに向かって叫ぶと、会場に集まった観客がどっと沸く。

「彼らがそれぞれ日本一のプレイヤーであることは、キャラ限定大会によってすでに実証済み!」

 大仰な仕草で腕を振り、舞台に並んだプレイヤー達を指し示す。

「本日は、その日本一のプレイヤーが戦うことで最強のプレイヤーが決定される……だけではなく、最強のキャラクターも決定されるのです!」

 早くも頂点に達しつつある観客達。観客にはゲーマーよりも武神降臨そのもののファンが多く、さながらプロレスやK−1の会場のような、一種異様な雰囲気になりつつあった。

 『Fighters Legend』………闘技者達の伝説が、時と場所を超えてここに始まる。